心の底から

25歳が日々思うことを書き連ねます

前向きな姿勢

こんばんは。

 

今朝仕事中、ヨッピーさんの記事を思い出して「そうだ生産的な趣味を作って前に進んだような気持ちになろう」と思い、いまブログにログインしてます。

 

読書の記録をつけようと思いました。

今日通勤電車の中で、江國香織『号泣する準備はできていた』の文庫をなんとなく読んでいたのですが、これがまた良かったのです。中学生のときに気取って色んな話題の作家の本を読み漁っていました。そのころ読んだ作品のなかにそれもありましたが、正直「江國香織ってあんまり面白くない、意味わからない」という感想をもった覚えがあり、長い間「江國香織は自分には合わないんだな」と思って過ごしてきました。それがここ最近覆ったことに衝撃を感じたのです。

私は小学3年生のころから現代小説を読んで育ちました。宮部みゆきの『クロスファイア』を空港の小さな本屋で見かけて、何か暇つぶしになるからと親からお金をもらっていたので、それで買った記憶があります。表紙の炎と超能力を使う主人公がまあ魅力的に見えたからだと思います。

上下巻読み終えるのに2年くらいかかったのではないでしょうか。何度も挫折して、何度も最初の戦うシーンを読み返した覚えがあります。信用していた男に裏切られたシーンも何か覚えがあります。物語の流れは正直よくわかってなかったですが、子供ながらにショックを受けていたような気がします。

文章として書いてあることもそんなに読めていないのに、文章にしてあえて書かれていないことまで考えて読むことも知らなかったので、仕方ないでしょう。

そんな期間がずっと続き、私はなんとなく小説を読み、ラノベを読み、漫画を読み、本棚を増設して自室のフリーなスペースを着々と埋めていきました。(引っ越しの際にほとんどBOOKOFFに売ってしまうのですが)

 

なんのことを書こうとしたのか忘れていました。

江國香織についてです。

嫁さんがご友人に本を貸してもらっていて、そのなかに江國香織のデビュー作『つめたいよるに』の文庫がありました。めったに小説を読まない嫁さんが「面白かった」と言ったので、そうかそうかと私も又貸しで読ませていただきました。

とてもよかった。もっと男女のぐちゃっとした関係をワンシーン切り取った胸糞わるいものかと予想してましたが(ほんと印象が悪かった)、瑞々しくも切れのある文章でわりと爽やかな、展開が分かりやすい短編集で、よかった。

お気に入りは「ねぎを刻む」です。たった5ページで私は救われてしまった。よかった、ここにも私と同じようなことを思う人がいたのかと、安心した。

 

そんなわけで江國香織の株は急上昇、本屋に行ったときはえ行を見る日々が続きます。

そこで「昔読んだ本を読み返してみよう」と思い、『号泣』を再度買って読んでみたという感じです。

まだ4編しか読んでいませんが、「――」「ッ!?」が好きだったころに比べたら、とても楽しく読めるようになっていて、自分の読み方が変化していることに安堵しました。江國香織を読めるぞと、いまとても楽しいです。

 

物語に想像の余地を与えるためにあえて文章化されていないエピソードが山のようにあるということを考えつつ読める。これは今じゃなきゃできないことなんだと知りました。

(夫が猫を捨てたとか、楽しくない一日を結婚したあとも覚えているとか、小学生が読んでも何もわかるはずがない――ッ!?)